日本は30年間デフレから脱却できていません。
なぜ、デフレから抜け出せないのか。
結論から申し上げますと、それは需要不足だからです。
日本は長期間需要不足
日本がデフレーションから抜け出せないのは、需要がないからです。
一体需要不足とは、どういうことか?
そもそも需要とは、消費や投資、政府支出、純輸出(輸出-輸入)のこと。
じゅ‐よう〔‐エウ〕【需要】 の解説
1 もとめること。いりよう。「人々の需要に応じる」2 家計・企業などの経済主体が市場において購入しようとする欲求。購買力に裏づけられたものをいう。⇔供給。
つまり消費とは、我々がモノ・サービスを欲しがること。
投資とは、企業が機械などの設備を求めること。
政府支出は国の道路(国道)や鉄道(もともとの国鉄)などの国有財産を作ること。
純輸出とは海外からのモノをどれだけ売ったか。
今の日本はこれらの需要を増やせばデフレから脱却できるのです。
しかし、今の日本は供給に比べて需要がありません。
それはなぜなのでしょうか。
消費税が課されている
1つ目の要因としては、消費税が課されているからです。
日本は1989年に3%、1997年に5%、2014年に8%、そして2019年にはなんと10%に引き上げられました。
2019年の増税は社会保障や教育無償化の財源のために増税されました。
私はなぜ消費税で財源を賄おうとするのか理解できません。
日本はデフレから脱却できていないのに消費に税を課したら消費が冷え込み、さらにデフレが進行するのは明らかです。
しかも消費は経済のメインエンジンです。
GDPの約半分は消費が占めています。
この消費が落ち込めば、簡単にデフレになるに決まってます。
消費は誰かの所得になります。
この所得が減れば、さらに消費が減ります。
しかも税金は払った分だけ、貨幣の循環から消えてしまいます。
つまり、消費抑制に加えて出回るお金も減少するということです。
公共事業が少なすぎる

公共事業というのは、政府が企業にお金を出して道路やダム、堤防など民間がやらないことを政府が行うことです。
当たり前ですが、上記のような公共インフラは利益を追求できませんので民間企業が建設するはずがない。
それを政府が肩代わりしてやる、ということです。
公共事業を行うと、政府は公共事業を行った企業にお金を出します。
このお金は従業員のお給料になります。
このお給料が使われると誰かの所得になります。
誰かの所得が増えれば、その分消費が増えます。
私たちは所得が増えればお金を使うようになります。
このようにみんながお金を使うようになればその分所得も増えるので豊かになり、経済が活性化します。
これがデフレ脱却です。
無駄な社会保険料が多すぎる

こういうことを言うと、「財源どうするんだっ!」と言われるかもしれません。
しかし、財源などないのですよ。
そもそも、あなたがもっているお札は誰が供給したのですか。
それが偽札でない限り、政府が供給したのですよね。
そう、政府は財政赤字でなければ私たちはお金を持っているはずがないのです。
つまり、政府が支出しなければ我々が税として納めることができないのです。
昔は、社会保険料の支払いなどなかったはずです。
あったとしても今よりもはるかに少ない金額だと思います。
つまり、支払い<支給 のはずだった。
その時に財源の心配は誰がしていたのでしょうか。
こんな状態の時代もあったが、財政破綻はしなかった。
今はなおさらデフレなのですから、財政赤字など気にせず年金を増額すれば良いだけの話です。
社会保険料の支払いも廃止で!
デフレのなにがいけないのか

そもそも、デフレってなんでだめなのでしょうか。
簡単に言うと、人々を貧しくするからです。
デフレは、供給>需要 なのでモノの価格が下がります。
・・・これだけきくとデフレってサイコーですね。
セールですか???ってなりそうですが・・・(笑)
もっと怖いのがここからで。
価格が下がる以上に、我々の給料が下がるのです。
これは、実質賃金の減少ということです。
反対に名目賃金とは、給与明細に書いてある物価を考慮しないそのままの金額です。
名目賃金が少なくなれば、物価関係なく貧しくなった気分になります。
そうなれば、将来に不安を覚え消費を減らし貯蓄に回すようになります。
すると、消費が減少した分だけ所得も減少します。
ここで、価格下落<所得減少になります。
実質賃金の減少ということになります。
実質賃金というのは、購入できる財・サービスの総量です。
過度なインフレで 価格上昇>所得増加でも実質賃金減少ということです。
デフレは、価格下落<所得減少なので実質賃金現象です。
価格が下がるんだからいいじゃん~という方いますが、それは所得まで視野を広げてください、ということ。
政府が介入しないと克服できない
一度デフレに突入してしまうと市場の力だけではよっぽどのことがない限り、デフレ脱却ができません。
とっぽどのことというのは、誰かが数十兆もの消費や投資をすることです。
しかしデフレなのですから、そんな莫大な金額の投資をするわけがない。
なぜならモノが売れないから。
モノが売れないのに設備投資したってお金をドブに捨ててしまうことになります。
売れない状態が続けば。
こうなったときは政府がテコ入れしないといけません。
需要を回復させるためには、何よりも政府の介入が必要です。
これは先ほどの公共事業を増やしたり、定額給付金を支給するのもあり。
政府が赤字を出して、GDPギャップをプラスにしなければなりません。
GDPギャップがプラスになれば、消費や投資が増えるので政府が介入しなくても経済が活性化されます。